サンノさんと一緒にイラストのインスピレーションを発見する旅に出よう! #1日目


サンノさん

こんにちは、はじめまして。 フリーランスでイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動しております、サンノと申します。

今回は、今後連載する記事のテーマについて、紹介をさせていただきます!

私は、SNSでは主にイラストのお仕事・趣味で描いた作品をアップしています。すると見ていただいた方から、ときどき「サンノさんの絵って、サンノさんの絵だってすぐわかりますね!」というご感想をいただくことがあります。

「自分の絵柄って全然安定しないなぁ」と長らく悩んでいた身としましては「やっと自分のスタイルができてきた…ってコト…!?」と独りごつほどうれしいのですが、「自分だけのスタイル」言い換えると「オリジナリティ」は、厳密にいえばこの世には存在しない、という思いがあります。

ラブレターズOfficial Youtube Channel「ラブレターズの階段腰掛け男」ノベルティステッカー
どういうことかといえば、百人の絵があれば、百通りの「その人らしさ」が、技術力とは関係なく必ず存在すると思うのですが、それらの「らしさ」を作り上げる要素はゼロから生まれたものではないのでは?ということです。無意識的、ときには意識的に、これまで生きてきた中で、見た、聴いた、感じたもの、あらゆる経験と影響の蓄積、それらの断片やミックスによって「その人らしい」作品がうまれるのではないかと考えています。

そして断片やミックスの組み合わせは無限にあるので、その組み合わせを全体像で見たときに私たちは「これは見たことない!」と感じ、「これはこの人のオリジナルだ」と感じるのかな、と!



照林社「プチナース」挿絵
例えば、自分の場合は、非常に恐れ多く自分で言うのはおこがましいのですが、これまでに何度か言われたことのある表現として「藤子・F・不二雄っぽい」「レトロ」や「アメリカのカートゥーンっぽい」「ポップで明るい」などがあります(藤子・F・不二雄ファンのかた、カートゥーンファンの方、すみません!!)

実際、今も昔も藤子不二雄作品が好きで(「エスパー魔美」がめちゃくちゃ好き)、幼稚園から小6まではアメリカの太陽の明るい地域で、ディズニーチャンネルやカートゥーンネットワークを見ながら育ったので、やっぱり絵のルーツは、環境や摂取してきたものにある…超BIGな存在にルーツを見つけて、自分を過大評価も卑下もしませんが、とにかく影響を受けたものは、自分の想像している以上に自分の中に長く大きく存在していると感じます。

そして上記で触れた藤子不二雄自身も、手塚治虫の大ファンで大きな影響を受けていたり、さらに手塚治虫もディズニーのアニメーションが好きで影響を受けていたり、またウォルト・ディズニーは自動車が好きで、その自動車も何かしらのインスピレーションを受けてデザインされているはずで…辿っていけば、いつか大昔の建造物や、絶滅した草木にたどり着くかもしれないですね。あまりにも大昔のものだと、自分とは関係ないような感覚にもなりますが、実際は何千年前であれ、現在と時間は繋がっているので、なにかしらのDNAのようなものは随所で生き続けていると思います。

照林社「プチナース」挿絵
長々と書きましたが、つまりありとあらゆるものの中に自分の作品のルーツが隠されている可能性がある(?)ので、見方を変えれば、古いからといって、アートやデザインとは違うジャンルだからといって、「これはインスピレーションの役に立たない」というものは無いんじゃないか、と言えます。この世の中、制作のヒントだらけなのでは…?


今後の連載では、そういった「昔の作品」から「身近で見つけたもの」まで、様々なテーマを取り上げ、
そこから「制作のヒント」を見つけていく、ということに挑戦してみたいと考えています。


この表現真似できる、この配色いいな、などなど…そしてそれらを自分なりに取り入れた自分の作品も(描き下ろしや、過去作品などで)ご紹介できれば、と思います。ちなみに、丸ごと使用すると「パクリ」になったり
グレーゾーンに入ったりする危険性があるので、あくまでそれらは「ヒント」として…。


今これをお読みいただいてるみなさんと一緒に、いろいろなところからインスピレーションを受けて、
なにか発見することができれば、これ幸いです。


どうぞよろしくお願いします。


▽サンノさんのインタビューはこちら

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