【中編】京都水族館はなぜこんなにも愛され水族館なのか!?

〜京都水族館の面白い企画について深掘り!〜

〜京都水族館の面白い企画について深掘り!〜


京都で、家族で遊びに行こう、恋人とデートに出かけようと思った時に京都在住の方はどこを思い浮かべるだろうか?

KYOTO LETTER編集部でよく話題に出て、私たちの「なんだそれ、行きたい!!」欲をSNSや電車広告で強烈に刺激してくるのが「京都水族館」である。

SNSで話題になった、ペンギン達の人間味溢れる関係性を可視化した「京都ペンギン相関図」や2020年7月のリニューアルオープンを予告する「変態予告」広告など、様々な企画・伝え方をしている京都水族館。

京都水族館を熱烈に愛している人たちが多くいて、「京都水族館はなぜこんなにも愛され水族館なのか!?」を教えて欲しいという感情がふつふつと湧き上がり、すぐに連絡を取り、京都水族館の企画広報チームの奥村さんにお話をお伺いしてきました!

【中編】京都水族館の面白い企画について深掘り!


前編では、京都水族館の企画広報チームの奥村さんに「京都水族館のコンセプト」をお聞きしながら、そのコンセプトがどのように行動指標になっているのかを紐解いていきました。


「前編の記事
」を読む


今回は京都水族館の面白い企画について深掘り!と題し、どのように様々なユニークかつ人々を魅了する企画を考え、実施しているのかをお聞きしました。

フジタ

初めにコンセプトについて深く教えていただいたので、今回は京都水族館の「面白い企画」に焦点を当てて教えていただきたいと思います。 まず、企画を立案される時は「企画広報チーム」がされるのでしょうか?

奥村さん

そうですね。企画メンバーと広報メンバーで、それぞれ意見を出し合っています。

フジタ

あ、そうなんですね!

奥村さん

"企画メンバー"は、どの時期にどういった企画をやるのかを一から作り上げています。

フジタ

"企画チーム"と"企画広報チーム"は別の部署なんですか?

奥村さん

いえ、”企画広報チーム”の中に"企画メンバー"と"広報メンバー"がいます。

フジタ

なるほど。企画もそうなんですが、偉そうに言ってしまうと伝え方がいつも"上手"だなー。といつも思っています。笑 ここを立たせた方がいいな、などの目線は広報チームがされるんですね。

奥村さん

広報の視点だけではなく、飼育の視点なども取り入れています。

フジタ

特に"言葉"伝え方"という意味では、これを中吊りで見た時めっちゃ笑いそうになりました。笑

奥村さん

内輪のネタって感じですよね。笑

フジタ

でも、いいですよね〜。笑

奥村さん

コロナによる長期休館を初めて経験したからこその企画ですね、企画広報チームで、今年1年何をやっていただろうってみんなで1月から書き出したりして。笑

フジタ

奥村さん

盛り上がってきちゃって、これは流石に出せないよね。。というものを絞っていって、こんな時期だからこそ、ささいなことでも、なんでもお祝いしちゃえという気持ちが込められた企画です。笑

フジタ

1つ1つの愛情がすごいですよね。笑 特に「先取りすぎオブザイヤー」は本当に面白いです。笑

奥村さん

これはー…イルカを見ながら瞑想をするという新しい形態でイルカスタジアムの新しい過ごし方を提供するための企画だったんですけど、 …結構時代が追いついてなかったですね。笑 コロナ禍の前に提供していたコンテンツなので、今の時期だったら受け入れられたかなーと思います。笑

海豚瞑想 Dolphin Mind Relax

https://www.kyoto-aquarium.com/news/details/2351.html

フジタ

確かに「ねむリウム」のように、イルカを見ながら瞑想は今だったらありそうですもんね。笑

奥村さん

そうなんですよ。

フジタ

内輪のネタかも知れないですが、これを読むだけで行きたいなと思いました。笑

奥村さん

笑 ありがとうございます。

フジタ

ありがとうございます。企画立案から広報される時に、この企画はいける・ダメのような 判断基準などはありますでしょうか?

奥村さん

やっぱり、お客様に伝わるものになっているかというところですかね。 前提として、事故がなく、安全に実施できるもの、小さなお子さまたちがあまりにも騒ぎすぎて怪我になるんじゃないかというものは避けないといけないです。 その中で、楽しんでもらうことはもちろんだけど、生き物に興味を持つきっかけを与えられることですね。

フジタ

逆に楽しいってってだけでもやる価値はあって、どう生き物に興味を持ってもらえるかを考えられているんですね。 なので、色んな企画がありますが、統一性が感じられるんでしょうか?

奥村さん

そうですね。そういった視点を重要視していますね。 その生き物に興味を持つきっかけって、色んなアプローチがあるんだと思うんですよね。

フジタ

というのは?

奥村さん

その1つが例えば企画であったりだとか、あとは飲食メニューだったり、お土産ものだったり。 そういった企画と連動させたアプローチをするようにしています。

フジタ

デザートとかも面白いものがたくさんありますが、あれもきっかけなんですね。

面白いメニュー:なが~い!チンアナゴパン&なが~い!ニシキアナゴパン

奥村さん

そうですね。

フジタ

飲食メニューなどで興味を持ってもらって、生き物を知ってもらうような全体のバランス感も大切にされているんですね。

奥村さん

生き物を見て、ただ可愛いだけで終わるんではなく、なんでこんな動きをするんだろう?なんでこんな色や形をしているんだろう?など、興味や関心をもってもらう一つのアプローチです。

フジタ

いつか忘れちゃいましたが、カエルの卵…

奥村さん

カエルの卵風スープ…あれも時代が早かったかなと思うんですよ。SNSの「バズる」ということや、Instagramなども それほどメジャーではなかったので…。笑

フジタ

カエルの卵は、もうカエルの卵そのものやん…!ってなりました。笑

カエルの卵風スープ

奥村さん

そうですよね。。よくぶっ飛んでるとか言われたりしました。笑

フジタ

今、こういった昔されていたことが洗練されていて明確化されているんじゃないかな?と思っています。 特にコロナ禍で、辛い部分はたくさんあったかと思いますが、この状況でなければできなかった企画なども多くされているのでその部分についてお話しをお伺いしたいと思います。

奥村さん

休館でお客さまが水族館に来たくても来れないという制限がかかっている状況の中でも生き物たちは毎日元気に変わらず過ごしていましたしたので、そういった姿を何とか届けたいなと思っていました。生き物を見るとやっぱり元気が出たり、嬉しい気持ちになったりとかというのを伝えたいという想いがありました。「無観客のイルカパフォーマンスライブ」は予想以上の反響で、私の友達とかも号泣しちゃったとか言ってもらえて、みんな気持ちが落ち込んでいる時なので、実施して良かったと思っています。

「無観客イルカパフォーマンス」ライブ中継

https://www.kyoto-aquarium.com/news/details/2651.html

フジタ

京都水族館さんだからこそできることですよね。

奥村さん

あとは、オンラインで水族館を体験できるコンテンツを充実できればと思っています。 「ねむリウム」もそのひとつですが、京都市内の小学校で毎年行っている「出張授業」も、リアルの現場での実施が難しい状況になったので、去年はオンラインで実施しました。

フジタ

あ、そうなんですね。

奥村さん

そうなんです。水族館の飼育スタッフと学校の生徒さんを繋いで。

フジタ

面白そうですねー!

奥村さん

オオサンショウウオを題材にして環境問題を考える環境学習なんですが、私も取材で小学校にも足を運んでいたんですけども、オンラインでオオサンショウウオの水槽を見てもらったりして、すごい盛り上がりました。

フジタ

受けてみたいですね。

奥村さん

通常はこちらが訪問できる数に制限が出てしまったりするのですけど、オンラインを使うと同時開催で、色んな学校を繋いだりできるんじゃないかとか、新しい発見は見つかりましたよね。

フジタ

それこそ本当に北海道の学校と沖縄の学校の方に同時に伝えられるんですもんね。

奥村さん

あとは、自由研究をお手伝いする企画を夏に実施しました。

フジタ

その企画のお話しとてもお聞きしたかったです。

奥村さん

これも、外出自粛でお出かけもできなかった子供たちは、「自由研究」のテーマをどうやって見つけるの?って。外出制限などで自然や生き物に触れる機会が減っている今の時期に。

フジタ

それをこの時期に企画して実施できるのがすごいですね。そしてこれも最初知ったのが電車で…笑

奥村さん

先生自由ってなんですか?の広告ですよね。笑

夏の自由研究超サポート制度

https://www.kyoto-aquarium.com/freedom/

フジタ

そうです。その場で検索したらこんなこともやってるんやー!って思いましたね。笑

奥村さん

15組限定ではあったんですけども、申し込みが殺到しました。 飼育スタッフも熱心に研究テーマの課題解決に取り組んでくれて。自分自身が勉強するなど、スタッフの成長にも繋がったと思います。

フジタ

スタッフの方が教えないといけないですもんね。

奥村さん

そうなんです。どういうところに子どもたちが興味を持っているのか、逆にこちらも発見できることがたくさんありました。笑

フジタ

え、そこ!?みたいなんがあるんですね。笑

奥村さん

そうなんですよ。笑 最初モジモジしていた子も最後時間がなくなって来たら、あれもこれも聞かなきゃ!となっていたり。笑 そして、後日出来上がった成果物を送っていただいたのですが、本当に感動しました。どれも、真剣に取り組んでいただいた成果が詰まっていました。

フジタ

それも、コロナがあったから1歩踏み込んで実施できた部分でもありますよね。

奥村さん

そうですね。

フジタ

続いて、もしよろしければ奥村さんの思い出に残っている企画などを教えていただきたいです。

奥村さん

そうですねー…これは例年展示しているんですが、「ペンギン相関図」がとても人気です。

フジタ

あー、好きです!笑

奥村さん

あれはペンギンたちの個性を知ってもらえるいい機会だなと思っています。ちょっとドロドロとした夫婦関係とかある ものの、ペンギン同士の関係性をわかりやすく解説できているかなと思います。

京都ペンギン相関図2021 実物!

フジタ

ペンギンってこんなにも1人ひとり性格が違うんだなと驚きました。笑

奥村さん

これは最初にお伝えした、ペンギンそのものではなく、ペンギンの「この子が好き」「応援したい」っていう意識に繋がっているのかなと思っています。

フジタ

本当にその通りですね。

奥村さん

実は、飼育スタッフたちは普通にペンギン1羽1羽の見分けがついています。

フジタ

え、パッと見ただけでわかるんですか?

奥村さん

私は分からないですが、飼育スタッフはわかります。笑

フジタ

えー、すごいですね!

奥村さん

そうなんです。それで、誰と誰がくっ付きそうだみたいな会話をしているんですよ。

フジタ

相関図自体は、奥村さん達広報の方々がこれは何かできるかな?という感じで始めたのですか?

奥村さん

飼育スタッフを交えての会話から、それってめちゃくちゃ面白いよねっていう形で始まりました。

フジタ

会話から生まれるってすごいことですね。僕は本当に見分け全くつかないです…。

奥村さん

ペンギンって難しいんです。お腹の模様だったり、顔つきもよく見ると違っているんですけどね。

フジタ

見分け方書かれていたので、頑張って見ていたのですが、それでも難しかったです。笑

奥村さん

同じ場所に居てたりするので、そんなところも見分けるヒントになるかもしれないです。

フジタ

好きな場所があるんですね!笑

奥村さん

そうなんです。笑

フジタ

実際、あの相関図を作ろうと思うと、関係性のヒアリングなどはどうされているんですか?

奥村さん

すっごい大変な作業なんですけど、企画チームと飼育スタッフでそれぞれ関係性の変化などをまとめて、レイアウトなどのデザインは外部の方にお願いしています。

フジタ

こことここが仲良いとかは共通で皆さん分かっていらっしゃるんですか?

奥村さん

そうなんです、去年から、ココとココが変わったよー、とか新しいカップルが誕生したよっていうのを飼育スタッフにヒアリングして制作してますね。

フジタ

それをちゃんとわかる飼育スタッフの方と、それをまとめて形にする皆さんもすごいです…!

奥村さん

ありがとうございます。笑 あとは、今はコロナ禍でできていませんが、里山では田植えを5月にして、夏の間に成長した稲の観察とそこにいる生き物の観察をする、秋には稲刈りをする。稲刈りをしたあと少し時間を置いて、脱穀と精米を行う「京の里山教室」を実施しています。

京の里山教室の様子

フジタ

えー! そのようなこともされているんですね!

奥村さん

脱穀・精米後、最後はしめ縄を作るんです。1年ずっと里山を使って、体験プログラムを行っているのですが、 これは本当に京都水族館ならではだと思っています。

フジタ

小学校の方が対象なんですか?

奥村さん

そうですね、近隣の小学校や、年パスのお子さまを対象に募集したりもしています。 どうしても、田んぼの大きさで1回当たりの参加者は限られるんですが、1年通してやれる京都水族館ならではの企画ですね。

フジタ

それ1年通して体験した子供たち絶対に忘れないでしょうね。

奥村さん

本当にそうなんです。今みたいな便利な機会を使わずに脱穀も足を漕ぐ昔ながらの手法で行い、自分たちが作ったお米を食べてもらって。

フジタ

普通はできないですもんね。

奥村さん

農家さんの大変さだったり、昔の人の偉大さみたいなところを感じてもらいながら、 こういう生き物が自分たちの生活に関係しているということも知れるので。

フジタ

そういうことをしていると生き物とも触れ合いやすいですよね。

奥村さん

お子さまにも楽しんでもらっていますが、大人の方にも懐かしいと楽しんでもらっていますね。笑

フジタ

お父さんお母さんが来られて楽しんでいるんですね。笑

奥村さん

そうです。笑 今後も続けていきたい企画だと思いますね。

フジタ

いつか参加したいです。笑

奥村さん

楽しいですよ。笑  去年と今年はスタッフのみで開館前に田植えを行いました。足腰が大変でした。笑

フジタ

どちらも京都水族館さんならではの企画ですね。ありがとうございました!

前編はこちらからご覧ください。

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