<第五回>時を超えた“モノ”との一期一会が叶う「平安蚤の市」

こんにちは、KYOTO LETTER編集部です。
京都で見つけた素敵なデザインをご紹介する連載「京都まちなかデザイン」。第五回目となる今回は、平安蚤の市で出合った素敵なデザインをご紹介します。

平安蚤の市とは

「平安蚤の市」は、毎月10日前後に京都・岡崎公園(平安神宮前)で行われる蚤の市です。始まったのは2019年4月。開催日には、全国から集まった100以上ものお店がブースを構え、青空の下を賑わせます。

今回取材をしたのは、9月10日に開催された平安蚤の市。賑わう人々は、掘り出し物を探しに来た人、バイヤーとして買い付けに来た人、散歩途中に通りかかった人など、訪れる背景は様々。人々が思い思いに足を運び、自由にその場を楽しむ。その中にこそ、一期一会の出合いがあるのかもしれません。

会場の様子は?

青空の下にテントがずらり。各店のブースに並べられた商品は、アンティークの食器や小物、古布やレトロなおもちゃなど、ジャンルを超えて多岐に渡ります。雑多なようで、洗練されたしつらえに、それぞれのお店の個性が光ります。気になるものを見つけたら、お店の方に声をかけてみましょう。アンティークが多い蚤の市では、それぞれの商品に歴史やドラマがあるもの。ひとつひとつのストーリーに耳を傾ければ、時代の流れや背景をより色濃く感じられます。

平安蚤の市で見つけた、素敵なモノをご紹介

それでは、平安蚤の市で出合った素敵なものを、いくつかご紹介しましょう。

 パン屋さんで使われていた、味のある古い木箱。何を入れようか想像が膨らみます。
丁寧に縫い合わせられた古布は、戦前のものだとか
様々な使い方を想像させる、陶器の数々
異なる形や高さ素材、蓋の有無など、種類の豊富さは籠好きを唸らせます
見ているだけで幸せな気分になる、美しいガラスのタイル
会場内にはためくのぼりのデザインは、京都在住の型染作家・関美穂子さんによるもの

京都の市の新定番として根付きはじめた「平安蚤の市」に、目が離せない!

京都では、骨董市、手作り市、古本市など、多種多様な“〇〇市”が毎月どこかで開催され、人々の日々の暮らしに賑わいと楽しさを添えています。例えば毎月21日に東寺で開催される「弘法市」は、700年以上の歴史を誇り、昔から地域の文化のひとつとして根付いてきました。

様々な市の形が存在する中で、平安蚤の市は、“世界中の古いものを愛する人たちで賑わう文化交流の場”を目指してスタート。第一回の開催から約2年半が経ち、京都に暮らす人々の中に少しずつ着実に浸透しています。京都の新たな定番市となり、素敵なモノとの出合いの場として賑わう平安蚤の市に目が離せません。

編集後記

今回は、平安蚤の市での「モノとの出合い」に着目しましたが、取材中に何人かの知り合いにバッタリ会うシーンが。京都では、こうしたバッタリ人と出会うことが多くあるような気がします。「街が狭いから?」「素敵なイベントが多いから?」きっと京都で暮らす多くの人が一度は考えを巡らせることがあるのではないでしょうか。モノも人も、意図しなかった偶然の出会いは嬉しいものです。そんな多くの出会いから、新しい何かが生まれてくる循環を生み出せたら。本記事をお読みいただいた方が足を運んだ先に、そんな素敵な一期一会の出会いがあることを願っています。


<平安蚤の市>

開催日:毎月ほぼ10日前後(公式HPにて随時公開)

公式HP:https://www.heiannominoichi.jp/

場所:岡崎公園 平安神宮前広場

開催時間:9:00~16:00

※雨天・荒天中止(一時的な小雨の場合は決行)

アクセス:(電車)地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約10分
京阪鴨東線「三条駅」「神宮丸太町駅」より徒歩約15分
(車)京都東インターより約20分
駐車場:専用駐車場なし。近隣の有料駐車場をご利用ください。


Writer/photo さと

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