純粋に楽しく、自分の生活を形に残す

カメラマン

西山あゆみさん

■西山あゆみ

兵庫県出身。大学進学と同時に京都で暮らし始める。部活動中の風景を撮るために『写ルンです』を購入し、フィルムカメラの質感が気に入り、写真の世界の魅力にハマる。今では様々な種類のカメラを使用しながら日々の生活のふとした”瞬間”の撮影を行なっている。

ご自身の作品について

 アパレル会社で働く傍ら、自分が生活している中で「ちょっと面白いかも」と思った事や忘れたくない瞬間、生活の一部を写真に記録しています。

 撮るものを決めている訳ではないですが、撮りたいと思った時に素直にシャッターを切る事、「いいかも」と思っても上手く撮れそうにない時は無理にシャッターを切らないことを大切にしています。

 撮影にはフィルムカメラだけでなく、デジカメもスマホも使用しています。「作品は全てフィルムでないといけない」といったような縛りを作ったりせず、それぞれのカメラの特徴を楽しみながら撮影をしています。

ご自身の活動について

 

 写真について勉強したり、展示へ赴いたりと色んな事を吸収していくうちに、私も「いつか製本や展示の開催など、何らかの形で人の目に触れる機会を作りたい」と思うようになりました。

 実際にZINE(ジン −個人で自由に作成する小冊子のこと–)を作って販売してみたり、2022年2月にはいつもお世話になっているラボ(フィルムのネガを現像してくれるお店)で展示も行いました。〈生活〉をテーマに印字済みのレシートに写真をプリントした《レシート写真展》はご来場いただいた方からたくさんの好評の声をいただくことができました。

 このような経験を活かしながら、今後もツールに囚われる事なく自分のペースで、誰よりも私自身が面白いと思う方法を選びながら、写真や表現することを楽しんでいきたいと思っています。

写真を撮ることとその思い

 以前は〈人とは違う視点を持っていること〉が不安な時期があったのですが、写真を始めてからはそれも一つの個性だと思えるようになりました。写真には正解がなくて、それが私には”救い”でもあります。

 唯一ずっと撮り続けているのが〈家族〉です。本当に幸いなことに祖父、祖母もみんな元気で。だからこそ、これからがちょっと怖いです。家族も、もちろん私自信もいつ何が起こるかわからないから、会える時間を大切にしていきたい、忘れずにいたいと強く思いながら一枚一枚シャッターを切っています。

 「忘れてもいいから写真を撮る」ということではなく、「その瞬間をより強く記憶に焼き付けるために撮る」。その気持ちは家族以外の日々の写真においても変わりありません。

 

これから挑戦したいこと

 どんな形でも写真を撮り続けたいと思っています。特にフィルムは生産減少・価格高騰により厳しい側面もありますが、それでも使っていきたいですね。

 そうやって撮った写真は、先ほども触れたように製本や展示など形にして積極的に人の目に触れる機会を作り続けたいです。売れるかどうかではなく、SNSやデータでのやりとりが主流になっている今だからこそアナログな形にすることが重要だと考えています。

 撮りたいと思う対象のものが変わっても、自分が飽きないよう自由に遊びながら撮り続けていきますので、ぜひその様子を見守っていただけたらと思います。

 

ライター/ヨコムラ

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