京都モノクロルーム
-フィルム写真の世界へようこそ-第二回目

ヨーフリーアラタ

カラーンカラーンカラーン!!開講~~!!さ、皆さん席についてください。「フィルムの世界へようこそ!」第2回目のお時間です。どうですか皆さん写真撮ってますかー!?この連載『京都モノクロルーム -フィルム写真の世界へようこそ-』は京都モノクロルーム管理人、わたくしヨーフリーアラタがフィルム写真を中心に、写真に関する様々なことをお話するものです。カメラと和菓子をお手元に、寝転がったりしながら気楽に読んでくださいね。

前回のおさらい

今日の本題に入る前に、前回のおさらいをしておきます。

・写真にはデジタル写真とフィルム写真が存在する

・カラーとモノクロに分けることが出来る

・デジタルとフィルムでは紙にする方法が異なる

前回お話ししたように、あらゆる写真は基本的に、「デジタルかつカラー」「デジタルかつモノクロ」、「フィルムかつカラー」「フィルムかつモノクロ」、この4つのどれかに当てはまります。(「基本的に」と書いたように例外が存在するのですが今は忘れてください。いや、これからも言及しないので永遠に忘れてていいです)

で、今回はモノクロフィルムの説明をします。それからデジタルとフィルムの、紙にする方法の違いについてお話します。いったいどういうものなのかを見ていきましょう。


モノクロフィルムとは、モノクロで記録できる(モノクロでしか記録できない)フィルムである

……《え、それだけ?》……はい、それだけです。説明は以上です。ありがとうございました。《ほんとにこれだけなの?》ほんとにこれだけです。カラーフィルムと違ってモノクロでしか写らない記録媒体、それがモノクロフィルムです。「白黒フィルム」も同じ意味です。


(厳密には違うのですが同義語と捉えてもらって構いません)(そもそもこの連載はビギナーの方にざっくり理解してもらうことがねらいですので厳密な違いには言及しません。マニアの方は直接京都モノクロルームに来てください)

デジタル写真とフィルム写真を紙にする方法

 では次にデジタル写真とフィルム写真では紙にする(=紙に出力する、いわゆる「写真」にする)方法が違う、ということについてお話していきます。前回の最後にちらっと触れたところです。

 紙というのは繊維をうすーく固めたものです。ぺたぺた手でさわれます。データであるデジタル写真はプリンターを使って紙に出力します。皆さんにとっても普通のことですよね。

では、モノクロフィルムで撮られたモノクロ写真はどのようにして紙にするのでしょうか!!どのようにして写真にするのでしょうか!!??いいですか、言いますよ……モノクロフィルムはですね、あらかじめ薬品が塗られた紙に像を投影して、さらに薬品で処理して、写真にします。

????????

薬品??が塗られた紙??投影??処理??

待ってください、タブを閉じないでください。ちゃんと説明しますから。一番身近な35ミリフィルムを例に、丁寧に説明をしていきます。

じゃん。これがモノクロフィルムです。何か変だと思いませんか?そう、像が反転しているんです。暗いところが白く、明るいところが黒くなっているのがお分かりいただけるかと思います。このように記録されるフィルムを「ネガフィルム」といいます。だから、これはモノクロネガフィルムだと呼ぶことも出来ます。世に出回っているモノクロフィルムのほぼ全てがネガフィルムです。京都モノクロルームのワークショップで取り扱っているのもこれ。

 《もしかして、ネガじゃないやつもあるの?》あります。ポジフィルムです。それからカラーにもネガフィルムがあります。ポジフィルムもあります。そのあたりの話はまた別の機会に。話をモノクロネガフィルムにもどしましょう。

 上の画像をパソコンでネガポジ反転処理した画像がこちら。これで何が写ってるか分かりますよね。

 このモノクロネガフィルムの像を紙に投影します。強い光をフィルムを通して紙に当てるのです。紙というのはさっき出てきた「あらかじめ薬品が塗られた紙」です。この世には写真にするための用紙が存在します。印画紙(いんがし)といいます。光を紙に当てることを「焼き付ける」とか「プリントする」とか「露光(ろこう)する」と言います。撮影するとき、つまりレンズを通った光をフィルムに当てるとき、も露光という言葉を使いますよね。同じです。また「写真を焼く」という言い回しはここから来ています。それから「焼き増し」という言葉もここから。焼いて増やすから焼き増しです。

 フィルムの像を印画紙に露光するための装置があります。それが引き伸ばし機(ひきのばしき)です。フィルムから印画紙に像を大きく伸ばすから引き伸ばし機。床に向かって光るプロジェクターみたいなものだと思ってください。

 《引き伸ばし機を使って印画紙にプリントしました!これで像が現れるんですよね?》

 いいえ。露光しただけでは印画紙に像は出てこないのです。この次に薬品での処理が必要なのです。下のイラストでも、暗く赤い部屋で男性が印画紙を液体に浸しています。こんな光景を映画やドラマで見たことありませんか? 

次回はその薬品の作業について見ていきましょう。第二回「どきどきプリント編(1)」はここまで。第三回「どきどきプリント編(2)」に続きます。最後まで読んでくださってありがとうございました。京都モノクロルームからヨーフリーアラタがお届けしました。

今日のまとめ

・デジタル写真はプリンターで紙にする(=写真にする)

・フィルム写真は引き伸ばし機で紙にする(=写真にする)

・モノクロフィルムとは白黒でしか撮れないフィルム。

・モノクロフィルムは基本的にネガフィルム。

今回のキーワード

・ネガフィルム……反転して撮れるフィルム。何が反転しているかというと明暗。カラーネガフィルムは色も。

・印画紙(いんがし)……フィルム写真専用の用紙。

・引き伸ばし機……フィルムの像を大きく拡大して印画紙に露光するための装置。



京都モノクロルーム公式サイト

https://www.monochroroom.jp/


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