洛中唯一の酒蔵 ネコの従業員がいる『佐々木酒造』


京都の酒蔵と言えば、おそらく『伏見』が頭に浮かぶ方が多いかと思います。日本三大酒処の一つにも挙がっているので、そうなりますよね。現在は20軒近く、たくさんの酒蔵があちこちに建っています。しかし、実は市街地にも酒蔵があることをご存知でしょうか?元々は伏見よりも洛中(京都市中心部)の方が蔵の数は多かったそうです。時代の流れとともに数が減っていき、現在洛中に残っている蔵はたったの1か所。その『佐々木酒造』を紹介させていただきます。

佐々木酒造を知っていますか?

佐々木酒造はある理由で知っているという人もいるかもしれないですね。こちらはドラマや映画、舞台で大活躍の俳優『佐々木蔵之介』さんのご実家で、現在は弟である晃さんが4代目として蔵を継いでおられます。



なぜ兄ではなく、弟が蔵を継いだのか?

佐々木家には3人の男兄弟がいます。本来であれば長男が継ぐことが多いかと思いますが、三男の佐々木晃氏が現・社長(4代目)を務めています。佛教大学文学部中国文学科を卒業後、いったん産業機械販売会社(現:関西日立株式会社)に就職(営業職)を経て現業に転じました。晃氏は家業を継ぐことになるとは思っていなかったと言っており、「上の兄(長男)は建築の道に進んでしまい、二番目の兄(蔵之介さん)は酒造家への道を歩んでいたが突然「俳優になる」と言って出て行ってしまった」とのことです。当初は一時的な蔵之介さんの留守番と思っていたが、その彼が活動範囲を広げたことで、「(蔵之介さんは)もう帰ってこない」と思うようになったということです。



創業130周年のアニバーサリー

「京都の商売は儲けることよりも続けることを考えろ」、「京都の老舗は、100年150年は鼻たれ小僧、300年続いてやっと一人前」などと言われるそうです。1893年に創業し、今年で130周年の佐々木酒造。老舗のくくりではまだまだ鼻たれ小僧ですが、なかなか続けられる年月ではありません。

日本酒の生産量は昭和48年をピークに年々下がってきてはいますが、佐々木酒造では、色んな世代の人たちに飲んでもらえるよう、フルーティーなものからどっしりとしたものまで多くの種類を作っています。




佐々木酒造のラインナップ

・聚楽第/聚楽菊/聚楽

・古都

・西陣

・平安四神【レッド・ホワイト・ブラック・ブルー】

・まるたけえびす

・美しい鴨川

・季節限定酒

・白い銀明水(ノンアルコール飲料)

・古都のリキュール【檸檬・柚子】

・猫の祝酒 にゃん酒

・猫の感謝酒 にゃん酒アニバーサリー




蔵に行ってみよう!

蔵を訪ねてみると、まず玄関口にて大きなネコのイラストが出迎えてくれます。物販コーナーに入ってみてもあちらこちらにネコネコネコ。お酒のラベル、おちょこ、前掛けなど…たくさんのネコに出会えます。

なぜそんなにネコがいるのか?尋ねてみると、蔵に迷い込んできた3匹の子ネコを保護し育てているそうで、それからネコラベルを作るようになったそうです。しっかり従業員の数にもネコが含まれているんですよ。

時々ネコたちに会いに、ネコ好きな方たちが遠方から来ることもあるそうです。ただ、自由奔放なネコたちには日本酒造りは向いておらず、お家の方でリモートワーク中だそうで、なかなかお会いすることは難しそうです。

話を戻しまして、物販コーナーの一角には試飲コーナーが設けられています。1回500円のガチャガチャを回すと、カプセルには3枚の試飲コインとお楽しみグッズ引換券1枚が入っています。コイン1枚で20~30mlのお酒の試飲ができます。

少々お高くて手を出しにくいお酒も季節限定のお酒も試飲することができ、とても満足できますよ。私が飲んだのは『聚楽第 遠心分離おりがらみ(当店限定)』と『古都 純米吟醸原酒』と『聚楽第 純米大吟醸ピュアクラフト』の3種です。

ちなみに『聚楽第 純米大吟醸ピュアクラフト』は720mlで22,000円(税込)なんです!1ml約31円なので20mlだと620円!これだけで元がとれちゃうんですよ。

そしてこの『お楽しみグッズ引換券』がまたすごいんですよ!私が引いたのは『ミニリキュール』の券でした。リキュールの試飲が追加できるのかと思いきや、なんと180mlの小瓶をいただけました!

3杯の試飲とこのおまけで500円は超破格です!他にはどんな券が入っているのかも気になるところです。ただあまりスペース的には決して広くはないので長居はしにくいですが、私は平日に伺ったのでのんびりできました。ぜひ皆さんも行ってみて、他にどんなおまけがあるのか教えてください。


今の時代、ネットでポチっとすれば全国どこのお酒も大体飲めるようになりました。しかし、やはり現地に行ってみてほしい。近くに二条城や晴明神社などがあるので、ちょっと足を伸ばして佐々木酒造もプランに組み込んでみてはいかがでしょうか。







■佐々木酒造【蔵情報】

住所/〒602-8152 京都府京都市上京区北伊勢屋町727
TEL/075-841-8106 FAX/075-801-2582
営業時間/10:00~17:00
休業日/日・祝・お盆・年末年始

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