TSUGU 京都三条_vol.1【体験レポート】|京都空間デザイン探訪「共用部・辰野金吾編」


実際に空間を体験することで、その“建物”の「なんか、いい」をお伝えする「京都空間デザイン探訪」。京都にこんな場所があるんだ、場所は知っていたけれどこんな場所だったんだ、と思ってもらえるような場所をご紹介します。

今回は、TSUGU 京都三条さんを体験しました。

こちらは三条通に面したホテル。一見「こんなところにホテルあるんだ!」と思うようなところに突如としてあるようなホテルです。元々は日本生命のビルだったようですが、そのビルを改修したリノベーションホテルとのこと。

「共用部」と「客室」とでお伝えしたいことがたっぷりなので、「共用部・辰野金吾編」と「客室編」と2本立てでお伝えさせていただきます。

今回は、「共用部・辰野金吾編」。辰野金吾って誰?って思われる方もおられると思いますが、後ほど触れさせていただきます♪

エントランスからスグに感じた「あ、なんか、いい」ポイントご紹介いたしますのでお楽しみください♪

TSUGU 京都三条

三条通にあるTSUGU 京都三条。

実は、このホテルの角にあるジュエリーを扱う寺内宝飾さんが入る印象的な建築物は辰野金吾という有名建築家の設計。辰野金吾の代表作は東京駅。建築好きの方は、「おお!」と思われるポイントです。

TSUGU 京都三条は株式会社リビタが運営するTHE SHARE HOTELSの一つで、日本国内で9店舗を展開。

ネーミングのTSUGUは「継ぐ」という意味がこもっています。

「かつて東海道五十三次の起点/終点として描かれた京都三条。全国各地のひと・ものが集い、新しい文化を生み出した場所。」

そんな京都三条から「ローカルへ旅を継ぐ」というコンセプトをもとに、”日本の各地へ旅してみたい”ような知らなかった魅力に心を馳せる工夫が随所に感じられます。

この想いを知り、空間を体験すると、時が来たらぜひ各地を旅してみたくなりました。


辰野金吾view

まずは、三条通から一番目にとまる辰野金吾の建造物。

この奥にTSUGU 京都三条があるのですが、まずはこの見上げる景色から始まります。

こちらの建造物は、登録有形文化財が一部のこるビルです。

《TSUGU 京都三条の建物について》
本建物は登録有形文化財が一部のこる旧日本生命京都三条ビル。
明治45年に着工し大正3年(1914年)に竣工した文化財部分の建物の設計は、東京駅で知られる辰野金吾率いる辰野・片岡建築事務所で,外壁を石貼りとする外観などにその作風がよく表れています。現在残るのは、社屋のうち柳馬場通りに面した1スパン分で、昭和58年(1983年)に当該部分を残して取り壊され、事務所ビルが増築されています。

日本生命京都三条ビル 1914(大正3)年
登録有形文化財
設計 : 辰野・片岡建築事務所
施工 : 山本鑑之進

とても古くからあるビルですよね。よりどんなホテルか気になりますよね。

促されるように奥へ進むと、エントランスが見えてきます。

大ぶりな植栽と白グレーのタイルが少し外国ナイズされた雰囲気です。それでは、中へ入ってみましょう。

ぐるっと回りこんでエントランス。どこから見ても素敵です。

ショーケースがお出迎えするレセプション

レセプションに入ってから「お!」と驚くのが、ショーケース。

こちらのショーケースには、福井県の鯖江市の作家さんとコラボレーションした作品が展示されていました。(なので、SAVA STOREだそうです)ここからも、鯖江に興味がわくポイントと感じますね♪

しかも、このショーケースの奥はカフェ「coffee and wine ushiro」に繋がります。

もう一つ空間計画で面白いのが、Johnbullの店舗の奥にあるところです。具体的には、縁のキッチンブースの奥は三条通に面する店舗。

雰囲気としては、隠れ家のような感じでjohnbullのブランドにもなじむような空間でした♪

店内はコンクリート造ですが、ナチュラルの木とドライフラワーやキリムなど温かみのあるアイテムがちりばめられています。

ホテルのエントランスとカフェを行き来する際もショーケースを通るので、面白いしつらえです。

コンクリートと異素材

TSUGU 京都三条の空間で見受けられるののが、「コンクリート」×「異素材」のパターンが多いのが特徴です。

こちらは、エントランスでは金箔とコンクリートのパターン。

金沢の金箔職人さんが手貼りでされた作品のようで、こちらも金沢に想いを馳せられるポイントですね。

1階のEVホールは、ごつごつしたコンクリートと、路地を思わせる石貼り。そこに素朴なベンチが置いてあって、どことなく詫び錆を感じます。

このように、一部だけむき出しにあるポイントがありますので「リノベーション」ホテルを感じられます。

リノベーションとホテルの調和

元々の壁をはつって、コンクリートをむき出しにしているのも然り、階段スペースがとてもリノベーション感を感じられるポイントです。

特に、リノベ感が強いのは、非常階段。

・・・会社感すごいですね笑。レトロを通り越して、何だか懐かしいです。

さらに、非常階段で素敵なのがブロックガラス。

イイ感じに年季が入っていて趣あります。

最後に、「ココ残すんだ!」と思ったポイントがこちら。

このようなポイントも見られるので、建築好きな方には面白いと思える点だと思います。

このように外観からは、わからないところが多いので、実際に空間を体験してみることが多いTSUGU 京都三条。掘り下げてみると面白いポイントが出てくるので、ぜひ現地で発見してみてください。

※)個人的には、リノベホテルということもありますが、詳しく建物観察するのは朝方がオススメです。朝食もおいしかったですよ♪

京都空間デザイン探訪|今回のまとめ

登録有形文化財が一部のこるTSUGU 京都三条。リノベーション感がほど良く残り、空間を体験することを通して建築って面白いなと思える工夫があるので「昔からの記憶を継ぐ」が感じのあるホテルでした。

京都で感じられる空間の「なんか・・いい」を次回もお伝えします。お楽しみに。


【訪れた場所】

■TSUGU 京都三条 by THE SHARE HOTELS|京都市中京区

京都府京都市中京区三条通柳馬場西入桝屋町75


トータルプロデュース/株式会社 リビタ

テナント(アパレル)/株式会社 ジョンブル

テナント(CAFE & BAR)/株式会社 キノシタショウテン


統括設計/株式会社 coto

グラフィックデザイン/高い山 株式会社

植栽/株式会社 叢

ユニフォームデザイン・制作/makerhood/メーカーフッド(株式会社 ジョンブル)

アートワーク/山城大督

キュレーション・コンテンツ企画/高山健太郎(株式会社 ノエチカ)

施工会社/石黒建設 株式会社

FF&E 設計監理/seventh-code 株式会社・株式会社 Atelier Loöwe

開店:2019年5月31日

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