はじめまして。今日から、実際に空間を体験することで、その“建物”の「なんか、いい」をお伝えする「京都空間デザイン探訪」が始まります。京都にこんな場所があるんだ、場所は知っていたけれどこんな場所だったんだ、と思ってもらえるような読み物になれば嬉しいです。最近はリモートワークをされている方も多いと思いますので、少し気分を変えて仕事や気分転換されるのにもおすすめなホテルをご紹介します。
今回は、京都駅近くにあるTUNE STAY KYOTO。ホテルというよりコミュニティースペースのような居心地。共用スペースのアクティビティが充実していて、滞在がより楽めるホテルをご紹介します。
初めに気軽に泊まろうと思った決め手は、「共用スペース」の充実さ。戸建てやマンションなどの住宅では「リビング」が充実したり落ち着く空間だと、自分の部屋にいるよりリビングにいる方が心地よく、家族みんながあつまる空間になることが多い。けれど、同じような感覚が、ホテルでも得られたのは初めてでした。
TUNE STAY KYOTOは、共用部の区切りが「層」のように積み重なりながらゾーニングされています。ザクっと描くとこんな感じ。こんな感じで見るとなんだか、映画館っぽい感じですね。
共用スペースが充実していることで、いくつか「いいな」と思ったポイントがあるんですが、一番のメインは、一瞬、蔦屋かと思うくらいの圧倒的な本の量。こちらは全て京都に関する書籍(雑誌・本・小説・漫画)が2000冊以上並んでいるとのこと。本のコラボレーションは「本屋 B&B」を運営する、numa books.本好きにはたまらない眺めとともに、24時間ずっと読んでいられる圧巻のライブラリー。
間接照明が入っている書棚は、アッパーライトにすることで本が印象的に見え、読んでみたいという意欲もプラスさせるポイントだと感じた。
さらに、こちらのライブラリーで体験できるのは「ショートフィルム」も上映されています。
スタッフさんがセレクトしたショートフィルムを1日2回上映されています。ショートフィルムは初めて見た私でしたが、前衛的な15分間の新たな世界が体験できました。
本を読むにも、映画を見るにも階段形状のベンチに腰掛けたり。ベンチスペースを木板で変えているところや座卓風なサイドテーブルも良いです♪…いつかどこかの外国で見た感じでテンション上がるやつですね。
ところで、このライブラリーは1階から地下への吹き抜け部分になるのですが、、「いったい、どんな感じで、どこへ繋がるんだろう…?」と思う動線計画。これ、また新鮮です。気になりすぎて散策してみると、その答えは「シェアキッチン」でした。
シェアキッチンというと、生活感が感じられるイメージかもしれませんが、とてもスタイリッシュ。さらに、地下のキッチンだからこそ、あえて明るめで設計されていたところが粋なポイントだと感じました。まずは、清潔感と作業性を考えて、電球色ではなく、昼白色に近い白っぽいい色温度にされていること。あとは、床面も空間の明るさを確保する淡色のタイルにして、コンクリート打ちっぱなしの工業的な作業所感のあるデザインに変わっていること。
空間的にはつながっていますが、光の使い方とコンクリート打ちっぱなしのグレーで無機質な空間にかえている2点の効果で、緩やかにゾーニングされている感じ。この空間のつなぎ目は、“バタフライチェア”の愛称でも知られる黒レザーのBKFチェアが並んだラウンジスペース。のスペースがある事で、落ち着き感のある有機的な空間から、モダンなラウンジスペースを通り、工業的なモダンな空間へ移る楽しさがあります。
TUNE STAY KYOTOは、実際に長期滞在で利用される方も多いようで、シェアホテルとホテルの間のような感覚。部屋より共用部が楽しめるホテルはあまり経験したこがなかったので存分に楽しませていただきました。(…私も夜な夜な課題はかどりました笑)ホテルに暮らすように「住むように泊まる」が根底にあるからなのだと感じました^ ^らっと、私のようにワーケーション的にご利用するのもオススメです。(なぜならば、wifi完備で、京都駅近く、ジンに特化した面白いバーもあります。)※)個人的には、ジン3種の飲み比べが良かったです♪
階層をうまく利用したゾーニングと、エンターテインメント性が融合して、1度だけでなく何度も体験したくなる、泊まる人が住んでいるような感覚になる斬新なTUNE STAY KYOTOでした。
京都で感じられる空間の「なんか・・いい」を次回もお伝えします。お楽しみに。
TUNE STAY KYOTO|京都市下京区
https://www.tune-stay.com
京都府京都市下京区七場通新町西入ル夷之町708プロデュース/ティーエーティー設計/建築 アクセス都市設計 内装/HIGHSPOT DESIGN開業:2019年11月1日
ライター:studio_nanca
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