古くから続く美しい伝統文化が数多く存在する京都のなかでも、わずか数人しか存在しない、舞妓とも花魁とも異なる最高位の芸妓「島原太夫」。
その伝統的な世界が、本能寺の跡地「京都創造ガレージ」にて、プロジェクションマッピングによる映像で体験できるイベント「夢幻ノ刻」が開催されます。
新しいクリエイティブを創造・発信する空間「京都創造ガレージ(京都市)」では、撮影スタジオとしても使用される高さ約7メートルの空間で、プロジェクションマッピングによるハイクオリティな映像美と圧倒的な没入感を演出する新たな日本文化の発信拠点。新進気鋭のアーティストや文化人とのコラボレーションで、日本の伝統文化を広く紹介していくとともに若者への継承を目指しています。
そんな「京都創造ガレージ」で、9月28日㈯、舞妓とも花魁とも異なる、最高位の芸妓・島原太夫による舞台を、プロジェクションマッピングによる芸術的な映像美とともに五感で体験するイベント「夢幻ノ刻」を開催されます。
「島原太夫」とは、京都の花街「島原」にのみ存在し、古くから宮中で舞や琴、茶道などを披露することを許された最高位の芸妓です。大衆文化から生まれた「舞妓」や「芸妓」、そして娼婦・遊女の総称である「花魁」に対し、「太夫」は宮中文化から生まれた芸を生業とする職業の人々を指します。
各時代の有力な大名や公家、なんと新選組も足繁くお座敷に通っていたという島原の「島原太夫」は、天皇に謁見が許され、十万石の大名にも値する「正五位」という官位も与えられた芸妓の最高位。舞や唄、和楽器(琴、胡弓、笛など)に秀でていることはもちろん、茶道、華道、書道、文学、和歌など幅広い教養を身につけておくことが必要とされ、認められた者だけが、「正五位」の別称である「太夫」と名乗ることの称号を授かることができました。
島原太夫は、踊りや唄、舞の流派にはじまり、髪型やかんざしの種類、着物の着方や帯の結び方、手の位置、下駄の高さまで、同じ花街に生きる舞妓や芸妓、花魁とは全く異なる文化・技術を継承してきました。
長い歴史と高い地位を持ち、日本の数ある花街のなかでも京都の「島原」にしかいないつ島原太夫ですが、現在は数人しかおらず、京都に来て舞妓や芸妓を目にすることもあっても、太夫を見かけることはほとんどありません。
「夢幻ノ刻」は、島原 末廣屋 葵太夫による、島原太夫の世界を五感で体験できる唯一無二のイベントです。
太夫が披露する舞や唄、和楽器の演奏などに合わせて、プロジェクションマッピングを用いた映像演出を加えることで、伝統的な儀式や舞踊が視覚的に楽しめ、物語のストーリーや歴史的背景が理解しやすくなります。聴覚と視覚を刺激する空間のなかに観客自身も入り込める「没入感」が味わえ、太夫の世界を五感で「体感」できます。
また、このイベントの特記すべき点は、日本や京都の伝統文化に関心を持つ世界中の方々が、わかりやすく親しみやすい形で太夫文化を体験できること。
日本人で生まれ育った人でさえも、芸妓の世界や、太夫がお座敷で披露する舞の歴史的背景やストーリー、衣装ひとつひとつに込められた意味など、伝統文化の理解は非常に難しいもの。歌詞を現代語に訳しひらがなで映し出したり、見せ場や重要なポイントで効果的な映像を映し出すなど、初めて太夫文化に触れる観客でも、その魅力を直感的に感じ取ることができる工夫も。
近年日本文化に関心の高い外国人観光客の方々も文化理解の第一歩となるよう、まずは雰囲気から味わえる演出です。
「夢幻ノ刻」は、日本の長い歴史のなかで継承されてきた太夫の文化をぎゅっと凝縮した内容です。日本の歴史や花街の世界を、耳だけでなく、目で見て、肌で感じられる演目の見どころをご紹介します。
「夢幻ノ刻」は、島原太夫を語る上で欠かすことのできない「太夫道中」で始まります。禿と供を従え、豪華絢爛な装束を身に纏った太夫が優雅に「内八文字」を踏む姿は圧巻です。
続いて、一切の音を遮断した静寂のなかで行われるのは、島原太夫しか行うことのない顔見せの儀式「かしの式」。大名に匹敵するほどの地位を持つ太夫は、その座敷に出るかどうかを太夫自身が選ぶ権利を持っていました。顔を見ることが無礼に当たる時代、太夫は丁寧に磨かれた盃を手に持ち、相手の姿、そして自分の心を盃に映し、お座敷に出るかどうかを決めたと言われています。
また、演目の中盤では、太夫がお座敷に上がる際に身につける装束について、頭の先から足の先まで細かく解説。太夫の文化について観客からの質問に答える時間も設けるなど、普段会ったり話すことのない「島原太夫」に接すことでより親しみを持っていただくことができます。
芸妓の世界に伝わる数ある舞のなかでも、太夫だけが舞い、太夫から太夫へと継承されつづけてきた舞「いにしえ」を披露。
そして、太夫の舞台に欠かせない、禿たちによる愛らしい舞を披露します。可憐さと儚さを纏った禿たちは、日本の伝統文化を次世代へと繋げてゆく重要な役割を担っています。
葵太夫による「本能寺」でフィナーレへ。観る人を圧倒する大迫力の映像美と、力強い琵琶の音色が空間いっぱいに響き渡り、物語の世界へと引き込まれてゆくような圧倒的な一体感を味わえます。
日本に数ある花街のなかでも、京都「島原」にのみ存在し、古くは宮中でも芸を披露するなど京都の伝統文化を受け継いできた島原太夫。伝統文化とプロジェクションマッピングという日本初の試みを通じて、心に残る体験を楽しめます。
日本の希少な伝統文化について深く知りたい方、京都をもっと知りたい方は必見のイベントですよ!
京都・島原太夫とプロジェクションマッピングの融合舞台「夢幻ノ刻」公演
■日時2024年9月28日㈯ 16:00開場/16:30開演30名様限定
■場所京都創造ガレージ京都府京都市中京区西洞院通六角下ル池須町419-2 西洞院YKビルB1075-254-7229
■料金S席:15000円/一般席:13000円※ワンドリンク付き
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公式サイトイベント情報
【主催・問い合わせ】京都創造ガレージ京都府京都市中京区西洞院通六角下ル池須町419-2 西洞院YKビルB1075-254-7229 URL:https://kyoto-creative-garage.studio/
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