「和であって和に媚びすぎない裏具の魅力」
こんにちは。いつもの裏具とは少し違った視点でコトバを紡ぐ「うろうろ、裏具のうらがわウォーク」連載第2回目は、裏具をこよなく愛するストアマネージャーの”たぬき”がお届けいたします。
・・・え?いきなりたぬきとは何ぞ??というのも、はじめての連載でちょっぴり緊張しているのをかくしつつ、せっかくの機会をもっと楽しむために、どうぶつニックネームをつけて発信することにしました。昔からよく”たぬき顔”だと言われていたわたしにはぴったりな?ネーミングかもしれません。笑
ちなみに裏具の絵柄にも、かえるやねこ、きつねなどいろんなどうぶつやいきものが登場するのですが、残念ながらたぬきさんはまだお目見えならず・・笑
さてさて、前置きはこのくらいにして。
みなさんは、最近だれかに手紙を書きましたか?どんな時に、手紙を書きたくなりますか?わたしは子供のころから便箋や葉書を集めるのが大好きで、”お気に入りのアイテムで手紙を書く”ということがとても身近にある暮らしをしてきました。
小さいころ引っ越しで離ればなれになってしまったお友達や、共通の趣味を通じてつながったお友達。本当はダメだけど、授業中の手紙交換なんてのも日常で、楽しかった思い出がよみがえってきます。
でもいつからか、手書きの言葉を伝える習慣というのはだんだんと薄れてしまい・・。もったいなくて使うことを躊躇ったまま引き出しの奥へしまい込み、誰にも届くことのないコレクションばかりが増えていく。
そんな毎日を過ごしていたある日、ついにその大切なコレクションを”使いたい”と思えるときが訪れたのです。
わたしが贈る手紙の先にいるひとは、感想や反応をみることも、目を通してくれているかさえもわからない相手だけど、決して的外れではないと思えるデザインを厳選し、言葉を重ね、ただただ想いを託すことが楽しくて。
いくつか回数を重ねるうちに、もっと他に、なにか”いいもの”はないだろうかと考えはじめていました。ありふれたものとは違う、ちょっと変わったデザイン。できればどこか、毒や闇のただよっているような感じがいい。
そんなことを思いながらスマホを片手に京都の街をうろうろ歩き、紙ものを扱っていそうなお店をたくさん巡っていたのですが・・
求めているものにはそう簡単に出会うことができません。。
さすがにもう探し尽くしたか、、とあきらめかけていたとき、検索画面のなかで目にとまった「裏具」という文字にどこか惹かれるものを感じ、わずかな希望を抱きながら足を運んだことが奇跡のはじまりでした。
どきどきしながら店内に足を踏み入れると、整然と並んでいる紙ものたちの中でもひときわ異彩を放つ、カラスやトカゲのデザインにただよう”妖しさ”、そして何とも言えない”余白”が美しい絵柄の数々。
まさに思い描いていた ”毒、闇のある” イメージそのもの、いや、むしろ想像以上のものが目の前にひろがり衝撃がはしるような出逢いを体験してしまったのです。
それから思いもよらないタイミングと縁に恵まれ、わたしにとって憧れの場所である裏具に携わることができた今もその魅力や興味が尽きることはありません。
たとえば、この世は「陰と陽」のバランスがあってはじめて物事が成立していると考えられていること。物事の裏側、光の当たらない部分や目に見えないものの存在を認めること。
日本で生まれ育ち、四季の美しさを身近に感じてきたからこそ創り出せる、「和であって和に媚びすぎない」デザインに、そこはかとなくただよう毒や妖しさ。
それらが全て交わることで”裏具らしさ”が生まれ、贈る相手の反応がいつもより楽しみに思えるようなアイテムが決して主張しすぎることなく、ひっそりと奥深く繰り広げられているのです。
普段はSNSなど現代ならではのデジタルに頼りながらも、手書きの文化はいつの時代もきっと変わらず、わたしたちのそばに寄りそってくれるものだと信じています。
字がうまくなくてもいい。長い文章が書けなくても、「ありがとう」というたった五文字だけでもいい。
たとえ、手紙の先にいるひとが出会うことの叶わない相手だとしても・・。その気持ちをしっかりと文字が伝えてくれるはずです。
もしかするとみなさんの中にも、もったいなくて使えない・・!なんて思っていた便箋や葉書が、どこかに眠ったままになっていたりしませんか?
いつもの日常からすこしだけ周りに目を向けて、家族や友人、大切なあのひとへ手書きの気持ちを贈ってみませんか?
裏具では、たっぷりと想いをしたためられるような便箋から、ほんのひと言だけ気軽に書けるメッセージカード、紙の質感や書き心地までこだわったものをたくさん揃えてお待ちしています。
お買い物に来てくださるお客さまの中には、「この葉書を見たら突然知人の顔が思い浮かびました!」と驚かれる方や、「この絵柄、絶対に◯◯ちゃんが好きそう!」と楽しそうに選ばれる様子をお見かけするたび、
初めてお会いする方であっても、うれしい気持ちをしっかりと共有することができている。裏具の魅力はそんなところにあるのだと感じています。
それでは、次回の連載でもまた、裏具の”うらがわ”にまつわるおはなしと共に魅力たっぷりのアイテムをお伝えしていきたいと思いますので
お時間のゆるす限り、ぜひぜひご覧いただければ幸いです。
裏具〒605-0963 京都市東山区塩小路通大和大路東入三丁目本瓦町672番地TEL 075-744-6540営業時間 11:00〜17:00定休日 月・火曜(祝日の場合営業)
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