京都で見つけた素敵なデザインをご紹介する連載「京都まちなかデザイン」。第三回目のテーマは、喫茶店で見つけた素敵なグッズデザインです。
京都の生活に深く根付く喫茶店文化。時に旅の目的地になるほど魅力的な喫茶店には、個性が光る素敵なデザインが沢山ありました。今回は、そんな喫茶店で見つけた素敵なオリジナルグッズをご紹介します。
知恩院を背に坂道を下っていくと、白と黄色のポップなテント、大きなコーヒーミルが目印の「やまもと喫茶」が見えてきます。常連から観光客まで、老若男女問わず賑わう人気のやまもと喫茶。昭和の雰囲気漂う、ほっとする空間が魅力です。そんな素敵な空気感は、グッズのデザインにも色濃く表れていますよ。
こちらは、お店の名前が入ったオリジナルマッチ。やまもと喫茶らしい、温かみのあるデザインが印象的です。
裏面には、「レスカあります」の文字が。レスカ、すなわちレモンスカッシュは、やまもと喫茶で人気の夏季限定メニューです。「今年もレスカが始まった!」と季節の到来を告げる、爽やかで可愛らしいデザインです。
店内には昔懐かしいガチャガチャが設置されています。100円玉を入れてレバーを回すと、オリジナルデザインのマグネットが出てきます。今回当たったのはマヨネーズのデザイン。「マグネットなら、おうちで使っていただきやすいと思って。」と奥様。訪れた記念に持ち帰り、自宅で使う度に、やまもと喫茶で過ごした時間を思い出すことができますね。
四条烏丸から徒歩約2分。綾小路通を南へ入ると、屋根付きの細道の先に現れるOkaffe Kyoto。
ショップカードに描かれているのは、オーナーバリスタである岡田章宏さんが珈琲を淹れるシルエット。バリスタ界のエンターテイナーと呼ばれ、2008-09年ジャパンバリスタチャンピオンシップにて優勝、ラテアート世界大会3位など、数々の受賞歴を持ちます。
店内は、カウンター内で珈琲を淹れる岡田さんの姿を、どの席からも見られる設計に。「珈琲を淹れる姿を楽しみ、味わう。そこから生まれる会話を楽しむことで、珈琲を介して人との交流を図れる場所を作りたい」という想いから生まれたアイデアだそうです。
ショップカードを見れば、「コーヒーを飲みに行こう」に加え、「岡田さんに会いに行こう」という気持ちが自然と湧いてくる、お洒落で素敵なデザインですね。
京都市役所前駅から徒歩約5分。レトロな店構えのエイト珈琲店は、第二の我が家のように、毎日通いたくなるようなほっとする場所。ひとり訪れて、珈琲を飲みながら思い思いの時間を過ごせば、あっという間に時間が過ぎてしまうほど居心地が良いお店です。
オリジナルのマッチは、ポップな明るい印象。昔の煙草パッケージを引用し、マスターご本人が作成したそうです。
裏面も遊び心溢れるデザインが楽しませてくれます。落ち着いたお店の雰囲気とのギャップがあるのも面白いポイントですよ。
二条城前駅から徒歩約5分。大きなCOFFEEの文字、赤と黒のストライプのひさしが目印の喫茶チロルは、地元の人からも観光客からも愛される、昔ながらの喫茶店。店内は、山小屋をイメージした、落ち着いた空間が広がります。
イラストレーターである先代の妹さんが手がけた可愛いロゴデザインは、お店のシンボル。
修学旅行生にプレゼントしているというポストカードは、イラストレーターのナカムラユキさんの絵を参考に作成されたもの。外観の可愛らしさや、チロルらしいほっこりした雰囲気が伝わる素敵なデザインです。
京都の劇団「ヨーロッパ企画」のゆかりの店としても有名な喫茶チロル。この場所をアイデアの種として、様々な作品が生まれてきました。店内には「ヨーロッパ企画ノート」が置かれています。何かメッセージを書き込めば、そこから新たな作品が生まれるかもしれませんよ。
京阪三条駅から徒歩約5分。賑わう河原町通りの中に佇む六曜社珈琲店は、1950年創業の老舗喫茶店です。
独特のテイストで描かれたマッチは、京都の洋画家、故大淵陽一氏のデザイン。
灰色の靄(もや)のようなくすんだタッチは、煙草の煙のよう。エメラルドブルーの色味は、地下へと続く階段沿いに貼られた、清水焼のタイルの色合のようにも見えます。
お店の雰囲気だけではなく、そこで珈琲を飲みながら、語らい、想いを巡らせる人々の様子まで垣間見える素敵なデザインですね。
今回は、京都の喫茶店で見つけた素敵なグッズデザインをご紹介しました。それぞれのお店らしさが詰まったオリジナルグッズは、ついつい集めてコレクションしたくなる素敵なものばかり。
旅の思い出と一緒に持ち帰れば、いつだって蘇るその記憶。写真のアルバムを見返すように、マッチやカードを見れば、当時の記憶が鮮明に蘇ることでしょう。writer/photo さと
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