京都の素敵な商品を、デザインの視点からご紹介するKYOTO LETTERのコラム。皆さんは京都にクラフトビールの醸造所があるのをご存知ですか?その名も「京都醸造」。そのこだわりの味わいはビールファンを唸らせ、今や取扱店は全国規模に広がっています。また、「毬男」や「若気の至り」などのキャッチーなネーミングと、ジャケ買いしたくなるようなラベルデザインも魅力的。目で見て楽しみ、想像を膨らませ、味わう。そんなお洒落で美味しい京都醸造のクラフトビールをご紹介します。
選んだ場所は京都だった。京都醸造の誕生ヒストリー
京都醸造は、2015年、世界遺産の東寺(京都市南区)近くの住宅街の一角に誕生しました。創設者である、ウェールズ出身のベンさん、カナダ出身のポールさん、アメリカ出身のクリスさんが出会ったのは2005年頃の青森。ビール好きという共通の趣味で意気投合した3人は、約10年の月日を経て京都醸造をオープンします。新たなスタートに京都の地を選んだのには、確固たる理由がありました。例えば、質や味覚に対するこだわりが強い土壌があること。職人が多く、その妥協しないものづくりの姿勢やプライドが垣間見えること。そして、伝統を守りつつも新しいものへの感度が高く、良いものは良いと認める懐の深さがあること。これらの京都らしい文化や土地柄が、3人をこの場所に引き寄せたのです。
印象的なロゴデザインにも注目
京都醸造といえば、そのロゴデザインも印象的。外枠の六角形は、幸運、長寿、祝福、助け合いなどの象徴とされる亀の甲羅をかたどった「亀甲紋」にあやかったそう。また、バランスの取れた六角形は、安定や調和を表すという意味合いもあるのだとか。内側には、Kyoto Brewing Co(京都醸造株式会社)の頭文字「KBC」が隠れる、シンプルかつ印象的なロゴデザイン。可愛らしくも、確かな存在感を示しています。
暑い夏にぴったりの「文月セット」
今回ご紹介するのは、7月限定の文月セット(税込み4,120円)。「新天地」「わたぬき」「週休6日」のラインアップで、各2本(計6本)のセットです。「どんな味だろう?」と想像を搔き立てる斬新なネーミングとラベルデザインにも注目しながら、実際に飲んでみた感想をご紹介します。
新天地
完璧なラガーを作るというコンセプトのもと造られた「新天地」。クリアな黄金色のビールをグラスに注ぐと、白ブドウやライムのようなフルーティーな香りが漂います。ニュージーランド産ホップの爽やかさとラガーの爽快さで、何杯も飲めてしまいそう。淡泊な魚のカルパッチョやムニエルと合わせると、より魅力が引き立ちそうです。暑い夏にすっきりと味わえる、軽やかかつ味わい深い一品です。
わたぬき
これまで造ったビールの中でも最高にユニークだと表現される「わたぬき」。ネーミングは、その昔の衣替えに由来します。ちょうど衣替えをする頃、実を大きくする梅や杏をふんだんに使い、岩塩とローズマリーを合わせることで、全てを見事に調和させました。オレンジ色のビールに、ほんのり香るローズマリー。口に含めば、酸っぱくて果実感たっぷりのジューシーな味わいは、まさに夏にぴったり。ガツンと刺激的で、一度飲むとクセになる味わいです。「百花の魅、実り重なる」という言葉を添え、まるまると実った果実をモチーフにしたラベルデザインにも注目です。
週休6日
まず、この素敵なネーミングについて触れずにはいられません。アルコール度数が低めなため、週に2日の休日だけでなく、6日飲んでも大丈夫?!という意味が込められているそう。2を塗りつぶして6と上書きするユーモラスな発想のラベルデザインも秀逸。飲む前からワクワクしてきます。缶のラベルのような明るい黄色のビールをグラスに注ぐと、アロマティックな香りが立ち上がります。軽い飲み口ですが、ホップの香りと苦みがしっかり最後まで残る味わい。爽やかで、ついつい飲みすぎてしまいそうな美味しさです。
今回ご紹介した3種類以外にも、様々なクラフトビールを生み出し続けている京都醸造。京都生まれのクラフトビールは、抹茶や珈琲のように広くこの地で愛され、ひとつの文化として根付く日も近いのではないでしょうか。こだわりの味はもちろん、ネーミングやラベルデザインにも注目しながら、お気に入りの一杯を見つけてくださいね。
オンラインショップでは、こだわりの味を京都から全国にお届け。本格化する夏の暑さを味方につけて、京都醸造のビールを片手にこの夏を楽しみましょう。
京都醸造 公式サイトhttps://kyotobrewing.com
writer:さとphotographer:徳田音夢
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