世界遺産である二条城から徒歩7分の場所にある林龍昇堂。創業は天保五年(1834年)、江戸時代末期からお香を販売しています。店内は古き良き雰囲気があり、棚に並んでいるお香の原料や立て掛けてある額縁などからは歴史を感じます。店主の林さんは6代目。江戸時代から受け継いできた確かな技術を駆使して、こだわりの香りを生み出しています。
徐々に若者の間でも広がりつつある「お香」。時代の流れに乗った新進気鋭のブランドが進出するなか、香老舗である林龍昇堂の特徴とは一体何なのでしょうか。
「私たちは天然の素材にこだわって商品を作っていまして、うちの商品は火をつけたときに本領を発揮します。」と林さん。
香りには、人工的に作られた「合成香料」と、自然の原料をそのまま使った「天然香料」があります。その中でも林龍昇堂は、白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)など自然の樹木から採取できる天然の素材にこだわって商品を作っています。それらの天然素材は火をつけた時に独特の深い香りを発し、空間を漂うとのこと。林龍昇堂の「お香」に対するこだわりが見られます。
初めてお香を購入する方は、数多くの商品の中からどれを選べばいいか悩むと思います。そこで、今回私が注目したのが「二条城 梅だより」というお香。こちらはなんと、あの二条城の梅園から採取した梅をすり潰してお香に混ぜてあるそうです。
「こちらは二条城さんからお声掛けいただきまして。お香の原料と梅の調合にかなり苦労したのですが、ありがたいことに皆さんから好評をいただいております。」
白檀の豊かな甘い香りをベースに、ほんのりと梅の香りが混ざっています。香りだけでなく見た目もとても可愛いので、プレゼントやお土産にもおすすめです。ちなみにこちらは一つ一つ手作業で作られたものだそう。ぜひ、二条城の光景を思い浮かべながら香りを楽しんでみてください。とても風流で、趣のある時間を過ごせると思います。
「おすすめの香りはどれですか?と尋ねられることも多いんですけど、好みの香りというのは人それぞれ違いますからね。『この香りが良い』と一概に言えないんですよ。」
「なので、実際にお店に足を運んでいただいて、一度香りを体験していただきたいです。」
江戸時代から原材料一つ一つにこだわってお香作りをしている林龍昇堂。6代に渡って受け継がれてき技術によって作られるお香は、とても奥深い香りがします。また、店主の林さんの丁寧で優しさ溢れる接客も魅力の一つです。お店に訪れた際は、どんなことも気軽に尋ねてみてください。きっとお気に入りの香りが見つかると思います。
住所/〒604-8258 京都府京都市中京区三条通堀川東入 橋東詰町15電話 / 075-221-2874営業時間 / 9:00~ 19:00 (定休日:日曜)※土曜祝日は18:00までWEBサイト/https://hayashi-ryushodo.com
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